今医療に求められている姿勢への答として、「患者さんを中心とした医療を行う」と患者中心を強調する場合が多くみられます。

確かにそれを後押しするインフォームドコンセントの考え方も、医療の現場に浸透して来て居ります。一方教育の機会も増え、近代的な行動の人も多くなってきました。新しい時代に脱皮し、セカンドオピニオンを求め堂々と自己を主張する事が多くなったのも時代の趨勢であります。

然し、一般的には未だ医療者が主導の立場にあり、患者側は異を唱える事もなく医療を受けているのが現状の大半であります。

医療が自分の意に反する時には不満を抑え、その儘引き下がる場面も現実に見聞するところであります。

これをあるべき姿に持ってゆくには、時間の制約はありますが、医療者の方から歩み寄りの必要があります。現代医療の仕組みを患者さんに理解してもらう為の努力の積み重ねが患者さんが医療の中心となる第一歩であります。こうして医療の機能が発揮される様に是正する事も又医療にとっての大きな課題であります。

従来の「診療一切お任せします」では真の医療へ到達出来ないのであります。自立の立場に立って医療に取り組める人は、強い生への欲求を持つ自立心の人であり、又大病による生死の関門を潜り抜け、多くの経験を積んだ人や、セカンドオピニオンで危機を乗り越えた人達で、範囲は極く限られて居ります。すべての患者さんへの対応としては最も大切な優しさが先ず第一に求められます。

医療者はその実践において鬼手仏心を基本としてなお患者さんの身になってくれる寛容さも求められて居ります。その第一の優しさは論語に云う仁でありますが、孔子は更にその中で人を愛することであると論じて居ります。又、「己れの欲せざるところを人に施すこと勿れ」と仁の概念を更に論語の顔淵の中で説いて居ります。私達は、これらの仁の精神を「宏仁会」理念の目標として診療に励みたいと願って居ります。

北川 宏
平成20年6月22日


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